革包丁で自在に革を切る方法と漉きのコツ
革包丁を自在に操る事が出来ると様々な形のパーツを切り出す事が出来ます。
パーツを切り出す以外にも重ねたコバが厚くなり過ぎないように革の端を薄く漉いたりも出来ちゃうんです♪
そんな便利な革包丁ですが、思い通りに使いこなすには少しコツが必要です。
これから紹介するテクニックを覚えて繰り返し実践すれば必ず身につきますので頑張りましょう!
※革包丁を始めて使う方はまず「革包丁の使い方」を読んで頂く事をおすすめします♪
革包丁で様々な形のパーツを切り出す為のテクニック
直線を革包丁で切るコツ
手順1. 腕を少し伸ばした状態でのスタートポジションに切れ目を入れます。
手順2. 革包丁をほんの少し外側に倒した状態で真っ直ぐ後ろに引きます。
※腋が開き過ぎないように注意しましょう
緩い曲線を革包丁で切るコツ
ポイント:曲線に差し掛かったら革包丁の刃を立てる
革包丁の刃が寝ていると小回りが利きにくくなります。
なので、曲線手前から意識的に刃を立てるようにしましょう。
●良い例
●悪い例(刃が寝ている)
曲線に沿ってパーツを動かすようにする
緩い曲線を切る時は手首の動きだけでなくパーツも一緒に動かしましょう。


パーツ自体を回そうとすると床面のザラザラがブレーキになって上手くいかない事があるからね
角のアールを革包丁で切るコツ
角のアールが小さいとパーツを動かす方法では綺麗に切る事が出来ません。
しかし、硬貨を使って押し切りする事で簡単にアールを切り出す事が出来ます。
手順1. 革の角に10円玉でアールをけがきます
参考. 下記の図のカラー線の軌道で少しずつ切っていきます
手順2. 3回切ってアールの真ん中まで到着しました
手順3. 6回切ってアールの終わりまで到着しました
手順4. 最後は紙やすり(300番~400番)でアールを整えます
完成. 綺麗にアールを切り出す事が出来ました!
角度のきつい曲線を革包丁で切るコツ
写真のような角度のきつい曲線は革包丁だけでは切り出す事が出来ません。
このような時はハトメ抜きと革包丁を組み合わせる事で綺麗に切り出す事が出来ます。
手順1. 曲線に合うサイズのハトメ抜きを用意しましょう
手順2. 曲線部分をハトメ抜きで穴空けします
手順3. 穴の端からガイドに沿って革包丁でカットします
手順4. 反対側も同じように革包丁でカットしましょう
完成. きつい曲線を綺麗に切り出す事が出来ました!
革包丁で革の端を漉く方法
革の端を薄くする漉く事を「ヘリ漉き」と言います。
例えば2mm厚の革が3枚重なったら6mm厚になります。
コバが6mmの厚さになるとかなりワイルドな印象になってしまいますね。
そのような時は「ヘリ漉き(斜め漉き)」を行いましょう!
コバの厚みを抑える事が出来て作品の印象をスッキリさせる事が出来ます。
「ヘリ漉き」の技術は少し高度で練習が必要ですが、必須テクニックの一つですので頑張ってマスターしましょう!
ヘリ漉きの前は必ず革包丁を研ぎましょう
ヘリ漉きは技術があっても革包丁の切れ味が悪いと上手くいきません。
コチラの記事で革包丁の研ぎ方の解説をしていますので参考にしてみて下さい。
ヘリ漉きのやり方(斜め漉き)
手順1. 床面の革の端から1cmの所に丸ギリでガイドを引きます
手順2. ガイドに革包丁の刃先を角度を25度位に寝かせてあてます
※革包丁は刃が傾斜している方を下にします
手順3. 角度を固定したまま前に押しながら右にスライドさせるように刃を動かします
手順4. 手順3の動きを位置をズラシながら行っていきます
手順5. 写真には細かくて写りませんが革の繊維が端から飛び出しているので革包丁でカットします
完成. 革の端を薄く漉くことが出来ました!
●斜め漉きをした後の革の断面
0.8mm厚に端を薄くする事が出来ました
●斜め漉きをする前の革の断面
元は2.3mmの厚みがありました