菱ギリを使ってプロ並みに綺麗なステッチにする方法
レザークラフト上級者を目指す上で必ず必要になるのが「菱ギリ」という道具を使ったテクニックです。
プロのレザークラフト作品はパーツが沢山重なり合った分厚い革を綺麗に縫製しています。
表を見ても、裏を見てもステッチの目が整っていて真っ直ぐです♪
この美しいステッチを実現している秘密は穴空けの方法にあります。
プロのクラフターは「菱目打ち」と「菱ギリ」の二つの道具を使って穴空けしているんです!
ただし、僕の体感ですが「菱ギリ」の難易度はメチャクチャ高いです。
高難易度だからこそ「菱ギリ」は職人技の一つに数えられています。
僕も習得するのに挫折を繰り返し「菱ギリ」が一番嫌いだったのですが、今では一番好きな道具です♪
僕が「菱ギリ」のマスターする為の練習方法を全て公開しますので、挑戦してみて下さい!
菱目打ちのデメリット
菱目打ちのデメリットはパーツが重なり合う分厚い革に大穴を空けてしまう事です。
菱目打ちは刃の先から4mmを越えると極端に太くなります。
いかがでしょうか、全然穴の大きさが違いますね。
分厚い革を菱目打ちで穴を空けると「表は大穴」「裏は小穴」という事になります。
大穴に手縫いをしてもステッチは美しくなりませんし、裏は穴が小さいので表と雰囲気の違うステッチになります。
理想はどちらが表か裏か分からないステッチです♪
菱ギリをマスター出来れば1cmの厚さでも表と裏に均等な穴を空ける事が出来るんです!
菱ギリで穴を空ける方法(1)
まずは「パーツを机に置いて菱ギリを両手で押し込む方法」を覚えましょう!
この方法は安全なのでオススメです♪
菱ギリで穴を空ける手順
2.5mm厚の革を二枚重ねた物を使って説明を進めていきます。
手順1. 菱目打ちで穴空けをします。
木槌は革一枚に穴が空く位の強さで叩いてください。
手順2. ゴム板に2mm厚程度の革を敷きます
※一般的にはコルクを敷きますが僕は使えなかった革を使っています。
手順3. 革付きのゴム板にパーツを載せて菱ギリを菱目の穴に挿し込みます。
両手で菱ギリを固定して真っ直ぐに刺して下さい。
手順4. 手順4とまるっきり同じ角度、力の入れ具合で次々に穴を空けていきましょう。
これから真っ直ぐに穴を抜く為の練習方法を教えるから毎日練習するしかない!
菱ギリで真っ直ぐに穴を空ける練習法
何故、裏側の穴がアッチコッチになってしまうかと言うと同じ角度で真っ直ぐに刺せていないからなんです!
真っ直ぐの感覚も「頭で考える真っ直ぐは真っ直ぐではない」という事です。
僕は菱ギリを刺す時、左斜め上に刺すと真っ直ぐに穴が空くんです。
これは、僕の頭で思っている真っ直ぐのズレた感覚を経験で補正している事になります。
左斜め上というのは僕の場合なので、他の方にはあてはまりません。
あなただけの感覚を掴むのにうってつけの練習法がありますので早速ご紹介していこうと思います♪
手順1. 菱ギリで穴を空ける前に革の裏側にステッチンググルーバーでガイドを引きます。
手順2. 何も考えずに真っ直ぐ菱ギリを刺します。
手順3. 裏側を見てみましょう。
ガイドの左に穴が空いてしまっています。
という事は僕の場合、左内側に刺す感覚が必要という事になります。
手順4. 少し左内側に菱ギリを刺してみます。
手順5. 裏を見るとピッタリとガイド上に穴が空いています。
手順6. 後はこの感覚を忘れずに穴を空け続けましょう
このようにガイド上に穴が空くように補正の感覚を掴んでいけば真っ直ぐに穴が空けられるようになっていきます。
1日1時間練習するようにすれば1週間後にはかなりの精度になってくると思いますよ♪
本番で抜いていく時はMAX集中して一気に穴空けをしていくようにしてね!