コバ磨き 美しい艶を出す手順とコツ
レザークラフト作品の「良し悪し」に直結するコバ処理。
いくら機能的に素晴らしい作品でもコバが綺麗に磨かれていないと見た目の印象がイマイチになってしまいます・・
レザークラフトの世界では美しいコバが評価される風潮があるので妥協出来ない作業なんです。
コバの磨き方には「コレが正解!」という方法はありませんが、僕が色々と試してきて今現在のベストだと思っている手順を解説していきます♪
コバ磨きに必要な道具
トコフィニッシュ、ヘリ落とし(薄革用・厚革用)、帆布、筆、紙やすり(200番台と300番台)を用意しましょう!
コバを美しく仕上げるコツ
コバ仕上げは「パーツ1枚の場合」と「パーツ2枚以上を重ねた場合」の2パターンがあります。
少し手順が異なる部分もあるので一つずつ作業手順をみていきましょう♪
パーツ1枚のコバの仕上げ方
手順1. 塗らした筆で革の切り口を湿らせます。
手順2. 紙やすり(300番~400番)でコバを擦ります。
手順3. ヘリ落とし(薄革用)を使って角を落とします。
手順4. トコフィニッシュorトコノールを一指し指の先に付けてコバに塗ります。
シミになる事があるので銀面に処理剤が付かないように気をつけましょう。
手順5. 帆布を使ってコバを擦ります。
手順6. 手順の2、4、5をコバが光りだすまで繰り返します。
手順7. コバに艶が出て綺麗に仕上がりました♪
パーツを2枚以上重ねた厚いコバの仕上げ方
二枚のパーツを重ねて接着すると少しはみ出ている所があると思います。
この状態で紙やすりをかけても中々コバを綺麗に仕上げる事が出来ません。
2枚以上革を重ねたコバは下記の手順で作業を行えば綺麗に仕上がりますので見ていきましょう♪
手順1. 重ねたパーツのはみ出した部分を「別たち」でカットします。
ワンポイントアドバイス
パーツを手に持った状態でズレた部分をカットしてもOKです。
手順2. 塗らした筆で革の切り口を湿らせます。
手順3. 紙やすり(200番~300番)でコバを擦ります。
手順4. ヘリ落とし(厚革用)を使って両面の角を落とします。
手順5. 紙やすり(300番~400番)でコバを擦ります
手順6. トコフィニッシュorトコノールをコバに塗ります。
手順7. 帆布を使ってコバを擦ります
手順8. 手順の4、6、7をコバが光りだすまで繰り返します
手順9. 厚いコバが綺麗に光輝きました!
コバみ丸みを付けたい場合
丸みを帯びたコバが好みの場合はウッドスリッカーを使ってあげましょう♪
作業のタイミングとしては上記手順の6と7の間が適切です。
ウッドスリッカーの便利な活用方法を記事にまとめてあるのでコチラも見てみて下さい。
手順1. コバの厚みに近いスリッカーの溝を探します。
手順2. コバにスリッカーの溝をあてて擦ります。
作業完了. 少し角張っていたコバが丸みを帯びてくれました♪
コバを更に美しく仕上げる裏技
二枚以上パーツを重ねた厚みのあるコバにはコバワックスを使ってみて下さい。
コバを磨いた後にもう一手間、下記の手順を行う事で目に見えて輝き方が増します♪
手順1. コバワックスをコバにあてて擦ります
コバワックスをコバに強く押し付けないように優しく擦るのがコツです。
手順2. ライターでコバを炙ります
ワックスの白い塊が熱で溶けて目立たなくなります
手順3. 帆布で擦って磨きます
完成. コバが更に光り輝きました!
コバを磨いても綺麗にならない場合
僕のお伝えした手順で全く綺麗にならない場合は以下の3つに当てはまっていないか確認してみて下さい。
(1)「クロムなめし」の革を使っている
トコフィニッシュやトコノールを使ってのコバ処理は「タンニンなめし」の牛革である必要があります。
「タンニンなめし」と「クロムなめし」の中間「コンビなめし」という物があり、これもクロム程ではありませんがコバが綺麗になりにくいです。
「コンビなめし」でもタンニンが多めの場合は結構綺麗になりますが、こればかりは買った革を実際に磨いてみるまで分かりません。
(2)合成皮革を使っている
最近は本物の革にしか見えない合成皮革もあります。
革を購入する際は必ず製品表示を確認するようにしましょう!
(3)牛革以外の革を使っている
豚革、羊革等はコバ磨きを行う事が出来ません。
(1)と重複しますが「タンニンなめし」の牛革を選びましょう!
(4)牛革の質が低い
コバ磨きは革の質が大きく関わってきます。
このページで紹介したコバ磨きの手順で良い結果が得られない場合は革の質が低い可能性があります。
しかし、調子の悪い革もコバを綺麗に出来る可能性があります。
コチラの記事で手順を解説しているので試してみて下さい♪
コバ磨きは必ずやらなきゃダメね!
あえてコバを磨かないで逆に荒らしてナチュラル感を演出しているクラフターさんもいるんだ!
技術に囚われる事無く自分の作りたい作品のイメージを大切にする事が大事だよ!