レザークラフトの手縫いを徹底解説!平縫い・糸の始末・二重縫いのやり方をマスターしよう!

2021年8月28日

レザークラフトの真骨頂といえば「手縫い」では無いでしょうか!

「手縫い」をマスターすればミシンを買わなくても自在に縫製出来ちゃうんです♪

そんな魅力的な「手縫い」ですが、正しい手順を知らないとステッチがガタガタになってしまったり・・
更には糸がすぐに切れてしまったりとトラブルにみまわれます。。

これからお伝えする「手縫い」はどの教則本にも書いていません!

日本のレザークラフトのパイオニアとして有名なCAPの「佐藤拓(ひらく)」氏の手縫いを僕なりにカスタマイズした方法です。

自分で言うのもなんですが、このサイトで一番価値のあるページになりますので完全にマスターしてしまいましょう♪



ステッチが切れにくい手縫いの方法

手縫い針に糸を通して準備をしましょう!

やり方が分からないという方は「手縫針の使い方」を見て下さいね♪

菱目打ちで針を通す為の穴をあけましょう

レザークラフトの手縫いは事前に穴を空けておく必要があります。
穴空けの方法が分からない方は「菱目打ちで穴をあけるコツ」をみて下さいね♪

手縫いのやり方

手順1. 菱目の穴のラインを水を含ませた筆でなぞります。

手順2. 始点の穴に糸を通します。

手順3. 床面側から2穴目に針を差し込み通します。

手順4. 銀面側で糸をバッテンにして下さい。
必ず1穴目から出ている糸が下、2穴目が出ている糸が上の状態にして下さい。

手順5. 銀面側の始点の穴から出ている糸を2穴目に差し込み通します。

手順6. 床面側から3穴目に針を差し込み通します。
通した後に糸を引っ張りステッチを引き締めて下さい。

手順7. 銀面側で糸をバッテンにして下さい
必ず2穴目から出ている糸が下、3穴目が出ている糸が上の状態にして下さい

手順8. 銀面側の2穴目から出ている糸を引っ張りステッチを引き締めた後に3穴目に差し込み通します。

手順9. 後は手順6~8ひたすら繰り返すだけです!
どんどん縫い進めていきましょう♪

カンナ
カンナ
ややこしいけど慣れると結構簡単ね!
JUN
JUN
この縫い方が出来るようになるとメチャクチャ高速で縫い進められるようになるよ!




縫い終わりの始末の仕方

縫いっぱなしでは糸が解けてきてしまうので最後に糸の始末をする必要があります。
麻糸とナイロン、ポリエステル系の糸では始末の方法が異なるので2つのパターンを覚えましょう!

縫い終わりの糸の始末の仕方 麻糸の場合

手順1. 最後の穴まで糸を通しました。

手順2. 床面側の終点から一つ前の穴に針を通します。
※この時に既に縫ってある糸を刺さないように避けて針を通してください。

手順3. 糸が重ならないように気をつけながら糸を引っ張ります。

手順4. 銀面側の終点から一つ前の穴に針を通します。
※この時に既に縫ってある糸を刺さないように避けて針を通してください。

手順5. 糸が重ならないように気をつけながら糸を引っ張ります。

手順6. 革の両端から出ている糸を引っ張って糸を引き締めます。

手順7. 手順2~6を繰り返して終点から2つ返し縫いになっている状態にして下さい。

手順8. 銀面側の終点から4つ目の穴に針を通します。

手順9. 床面側の終点から3つ目の穴から出ている糸を4つ目の穴から出ている糸ですくいます。

手順10. 4つ目の穴から出ている糸をもう一度4つ目の穴に通して下さい。

手順11. 革の両端から出ている糸を引っ張り引き締めます。

手順12. 銀面側の糸を引っ張って結び目を革の中に隠します。

手順13. 糸切りはさみで革の両側から出ている糸を1~2mm位の所で切ります。

手順14. サイビノールG17ボンドを丸ギリの先につけて飛び出している糸を中に隠します

完成. 麻糸の縫い終わりの始末が出来ました!

縫い終わりの始末の仕方 ナイロン・ポリエステル糸の場合

手順1. 麻糸の始末の手順8まで進んで下さい
麻糸もナイロン糸も手順8までは一緒です♪

手順2. 床面側から糸が二本出た写真のような状態になっていると思います

手順3. 革から1.5mm位の位置で糸を切ります

手順4. 写真位の位置で切るのが適当です

手順5. 飛び出している糸をライターで溶かします
※100円ライターの火力を一番弱く設定して下さい

手順6. ライターの側面で溶かした糸を潰します

完成. ポリエステル糸の縫い終わりの始末が出来ました!



強度を高める2重縫いの仕方

負荷の掛かる部分は糸を二重にして強度を高めてあげる必要があります。
例えばポケット系の口の部分は引っ張られる事が多いので1縫い目を二重にする事が多いです♪

手順1. 始点から2つ目の穴に針を通します。

手順2. 裏側から始点の穴に針を通します。

手順3. 再び2つ目の穴に針を通したら表と裏から糸が出ている状態になっているはずです。
表と裏から出ている糸を引っ張って糸を引き締めましょう。

手順4. 裏側から出ている針を始点の穴に通します。
この時、糸が重なってしまわないように気をつけましょう。

手順5. 表の始点から出ている針を2つ目の穴に通します。
この時も糸が重なってしまわないように気をつけましょう。

完成. 表と裏から出ている糸を引っ張れば二重縫いの完成です!




糸が切れにくい手縫いと切れてしまう手縫いの違い

それは糸がどれ位革に埋まっているかで決まります!
革に糸がしっかりと埋まっていない革小物は日常使いで受ける様々な摩擦によって糸が切れてしまいます。

革に糸を埋める為の2つの秘訣

ステッチンググルーバーによる溝堀り

ステッチンググルーバーはガイドの役割と溝を掘る役割があります。
この溝にステッチが収まるようにすれば糸が摩擦を受けにくくなるわけです。

穴あけをしたラインを塗らした筆でなぞる

革が水分を吸収すると革は柔らかくなります。
革が柔らかくなっている間に手縫いを行う事で糸がより深く埋まってくれます。

カンナ
カンナ
湿らせた筆で菱目打ちの穴をなぞるのってそういう事だったんだ!
JUN
JUN
ステッチンググルーバーでより深く溝を掘ろうとする人がいるけどあんまり良くないね。
ステッチンググルーバーの溝は浅くていいんだ!
後は水の力で深くまで糸が沈んでくれるからね♪

美しい手縫いを目指すなら穴空けの練習も同時にしよう

手縫いの手順を覚えたら菱目打ち・菱ギリを使った穴空けも練習するようにしましょう♪

ステッチの美しさは手縫いの手順よりも「穴空け」のテクニックが重要です。

菱目打ちで穴をあけるコツ」と「菱ギリを使ってプロ並みに綺麗なステッチにする方法」この2つの記事は穴空けの練習について詳しく解説していますので、是非読んでみて下さい♪